舐達麻の逮捕劇はなぜ起きた?不起訴の真相と逮捕歴、現在の活動を追う
日本のヒップホップシーンにおいて、類を見ないリアリティと圧倒的なリリックの世界観で熱狂的な支持を集め続ける埼玉県熊谷市発のクルー「舐達麻(なめだるま)」。彼らの名を世間に知らしめたのは音楽的な成功だけでなく、全国ニュースのトップを飾った数々の生々しい逮捕劇でもありました。
作品内で堂々と大麻文化を描写し、自らの過酷な生い立ちをそのまま歌い上げるスタイルゆえに、警察当局から常に厳しい監視の目を向けられてきた彼ら。2021年、そして2022年と立て続けに報じられた大麻取締法違反容疑によるメンバーの逮捕は、カルチャーの枠を超えて大きな社会的波紋を呼びました。なぜ彼らは幾度もターゲットとなったのか、そして世間を騒がせた事件の結末はどうなったのか。過去の逮捕理由から不起訴の真相、2026年現在の動向までを徹底的に検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2021年と2022年にメンバーが大麻取締法違反容疑で相次いで逮捕されたが、BADSAIKUSHやDELTA9KIDは嫌疑不十分等で「不起訴処分」となり釈放されている。
- 要点2:グループ結成の契機となった2009年の金庫破り事件とメンバーの死、その後の服役歴など、彼らの歩みは常に法とストリートの境界線上にあった。
- 要点3:度重なる家宅捜索や捜査網をくぐり抜け、2026年現在も独自の美学を貫きながら音楽フェスやアパレル事業の第一線で圧倒的なカリスマ性を保ち続けている。
【逮捕劇の真相】なぜ舐達麻は狙われたのか?大麻所持容疑による事件の全貌
日本中のヒップホップヘッズのみならず一般メディアまでも震撼させたのが、2021年4月と2022年10月に相次いで発生した舐達麻の逮捕劇です。多くのファンが「なぜ今、このタイミングで踏み込まれたのか」と疑問を抱きました。
事件の発端は、彼らの楽曲やミュージックビデオ、さらにはSNS上で公然と表現されていた大麻へのスタンスにありました。アンダーグラウンドから爆発的な人気を獲得し、YouTubeでの再生数が数千万回を超えるにつれて、捜査当局が彼らの活動を単なるカルチャーの誇張表現ではなく「重大な薬物犯罪の温床」と見なすようになったのは必然の流れでした。
とりわけ大きな転機となった2021年4月の事件では、埼玉県警などが大麻取締法違反(所持)の疑いでメンバーの関係先を一斉捜索。グループが拠点としていた埼玉県熊谷市や都内のアジトから乾燥大麻や計量器などが押収され、メンバーのG-PLANTSやDELTA9KIDを含む関係者計9人が現行犯逮捕されました。さらに2022年10月には、グループのリーダー格であるBADSAIKUSHの自宅などからも大麻が発見されたとして警視庁に逮捕される事態へと発展。ネット上では「舐達麻壊滅か」というニュースが飛び交い、騒然となりました。
【メンバー別】BADSAIKUSH・DELTA9KID・G-PLANTSの逮捕歴と容疑の詳細
舐達麻を構成する主要メンバー3名は、それぞれが歩んできたストリートの歴史とともに、異なる法的な経歴を背負っています。ここで改めて各メンバーの逮捕歴と容疑の経緯を整理します。
クルーの絶対的支柱であるBADSAIKUSH(本名・細矢郁弥)は、10代の頃からグレ続け、少年院送致などの経験を持っています。2021年の家宅捜索時には現場での大麻所持が立証されず逮捕を免れたものの、2022年10月に自宅で乾燥大麻を所持していた疑いによってBADSAIKUSHの逮捕が速報で報じられました。しかし、後述する通り東京地検による慎重な精査の結果、処分保留を経て不起訴となっています。
詩的で哀愁漂うフロウで絶大な人気を誇るDELTA9KID(本名・広井大輔)は、グループ結成前の2009年に起きた凄惨な事件で実刑判決を受け、約4年半に及ぶ刑務所生活(服役)を経験しています。出所後に舐達麻としての活動へ合流しましたが、2021年4月の家宅捜索において微量の大麻所持容疑でDELTA9KIDの逮捕が伝えられました。しかし所持量がごく微量であったことや証拠関係の精査により、早い段階で釈放されています。
重厚な低音と卓越したラップスキルを誇るG-PLANTS(本名・本多勇翔)は、2021年4月の摘発、そして2022年10月の摘発の双方で大麻取締法違反容疑によって身柄を拘束されました。現場での現行犯逮捕という形を取られたことで、一時は実刑の可能性も囁かれましたが、各事件において法廷闘争と捜査手続きの妥当性が激しく争われることになりました。
なぜ「不起訴」となり釈放されたのか?法的な争点と判決の実態
世間を騒がせた一連の大麻所持事件ですが、結果としてBADSAIKUSHとDELTA9KIDはいずれも不起訴処分を勝ち取り、身柄を釈放されています。著名人の薬物事案において、大々的に報道されながら不起訴で決着するのは極めて異例の展開でした。
不起訴となった最大の法的要因は、「共同所持」の立証の難しさと押収された大麻の帰属問題にありました。複数人が出入りするプライベートスタジオや共同スペース、あるいは同居人がいる空間から大麻が発見された場合、検察側はその大麻が「確実に本人の排他的な支配下にあったこと(自己の所持であること)」を厳格に証明しなければなりません。
DELTA9KIDの場合、押収された大麻片が極めて微量であったことや、本人が明確に故意を否認したことなどから「起訴猶予」または「嫌疑不十分」によって不起訴となりました。また、2022年のBADSAIKUSHとG-PLANTSの事件においても、東京地検は勾留満期を迎える中で「公判を維持して有罪判決を勝ち取るだけの確実な証拠に欠ける」と判断。最終的に起訴を見送り、舐達麻の釈放という劇的な結末を迎えました。
なお、2021年の事件で起訴相当とされた一部の事案においても、執行猶予付きの有罪判決にとどまり、メンバーが再び長期にわたって刑務所へ収監されるという最悪のシナリオは回避されました。
埼玉県警と舐達麻の因縁|熊谷のストリートから始まった監視の歴史
舐達麻と捜査機関、とりわけ埼玉県警との間には、単なる一過性の薬物事件にとどまらない根深い因縁が存在します。その原点は、グループ結成のきっかけとなった2009年の悲劇的な事件にまで遡ります。
当時、まだ10代後半だったBADSAIKUSHやDELTA9KIDらは、熊谷周辺で金庫破りなどの窃盗を繰り返していました。ある夜、犯行現場から逃走する際、警察車両の激しい追跡を受ける中で彼らの乗った車が横転事故を起こします。この事故によって、当時苦楽を共にしておりメンバーにとってもかけがえのない親友であった「1.0.4(トシ)」が命を落としました。
警察との壮絶なカーチェイスによる仲間の死、そして残されたメンバーの逮捕と服役。この漆黒の過去を背負い、「死んだトシのために本気で生きる」という誓いのもと結成されたのが舐達麻でした。彼らの代表曲『Floatin'』などの随所に登場する警察への剥き出しの敵対心や、熊谷のストリートでの過酷な記憶は、すべてこの実体験に基づいています。警察当局にとっても彼らは長年追い続けてきた因縁深い対象であり、だからこそ執念深く徹底的な捜査網が敷かれ続けたのです。
【2026年最新】舐達麻の現在地|音楽活動の再開と変わらぬカリスマ性
度重なる逮捕と釈放劇を乗り越えた舐達麻は、現在どのような状況にあるのでしょうか。結論から言えば、彼らは法的トラブルの痛手をものともせず、日本のストリートシーンの頂点に君臨し続けています。
舐達麻の現在の活動は、音楽制作と独自アパレルブランド「APHRODITE GANG HOLDINGS」の展開を二大巨頭として極めて順調です。釈放直後から大型ヒップホップフェスへのヘッドライナー出演や全国ツアーを敢行し、チケットは瞬時にソールドアウト。彼らが発信する限定マーチャンダイズは、発売開始と同時にサーバーがダウンするほどの熱狂を巻き起こしています。
昨今の国内における大麻取締法改正の動きや法規制の強化により、アーティストを取り巻く環境は一段と厳しさを増しています。しかし、彼らは自らのスタンスを偽ることなく、自らが歩んできた「生と死」「罪と罰」の物語を芸術へ昇華させ続けています。スキャンダルによって消費されることなく、自らのリアルな生き様を作品の強度へと転換できる点こそが、彼らが唯一無二の存在と呼ばれる理由です。
【舐達麻の逮捕】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:BADSAIKUSH(バダサイ)は過去に実刑判決を受けて服役したことがありますか?
A1:BADSAIKUSHは10代の頃に少年院への送致歴がありますが、舐達麻としてブレイクした後に成人刑務所で実刑判決を受けて服役した事実はありません。2022年の大麻所持容疑による逮捕時も、結果は不起訴処分となり釈放されています。
Q2:2021年と2022年の逮捕でメンバーが不起訴になった理由はなぜですか?
A2:主に「嫌疑不十分」によるものです。複数人が出入りする空間での押収であったため、大麻が確実に本人の排他的な管理下(所持)にあったという直接証拠を検察側が立証できなかったことや、所持量が微量であったことが不起訴の主な要因とみられています。
Q3:舐達麻のメンバーは現在も日本国内でライブ活動を行っていますか?
A3:精力的に行っています。主要な大型ヒップホップフェスや全国各地のクラブイベント、ワンマンライブ等に多数出演しており、圧倒的な動員力を誇るトップアクトとして活動を継続しています。
まとめ:幾度もの逮捕劇を越えて――舐達麻が提示し続けるリアリティ
日本の音楽シーンにおいて、舐達麻ほど自らの人生の暗部と法的なリスクをありのままに晒し、それをカルチャーの熱量に変えてきたグループは存在しません。2021年・2022年の逮捕劇は、彼らの存在がアンダーグラウンドの枠を完全に踏み越え、社会現象となっていたことの証明でもありました。
法的なグレーゾーンや当局からのプレッシャーを潜り抜け、結果として不起訴を勝ち取ってシーンへと舞い戻った彼ら。単なるスキャンダラスな話題性に甘んじることなく、妥協のないビートと冷徹なまでに研ぎ澄まされたリリックで作品を生み出し続ける姿は、今なお多くのヘッズを魅了してやみません。時代の激流や法規制の波に翻弄されながらも、熊谷のストリートから立ち上がった彼らが次にどのような言葉を紡ぎ出すのか、その一挙手一投足から今後も目が離せません。 (出典: 舐 達 麻 逮捕(Yahoo!ニュース))