二所ノ関一門の現在と勢力図!元稀勢の里が率いる角界再編の全貌
土俵上の熱戦のみならず、土俵外の権力構造においても大相撲は大きな転換点を迎えています。その中心に君臨するのが、第72代横綱・稀勢の里こと二所ノ関親方が率いる「二所ノ関一門」です。一時は部屋の閉鎖や有力親方の離脱によって存続すら危ぶまれた名門が、いまや出羽海一門と角界の覇権を二分する巨大勢力へと変貌を遂げました。
近代的な育成システムを導入した二所ノ関部屋の躍進、名門・佐渡ヶ嶽部屋の盤石な戦力、そして過去の「貴乃花の乱」に伴う旧貴乃花グループの合流劇——。本稿では、複雑に入り組む大相撲五大一門の勢力図を解き明かしながら、2026年現在の二所ノ関一門の最新動向と相撲協会中枢を巡る権力闘争の深層を徹底取材で浮き彫りにします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:二所ノ関親方(元稀勢の里)の圧倒的な育成手腕と発信力をテコに、一門の求心力と所属関取数が急増中。
- 要点2:貴乃花離脱の経緯を経て旧貴乃花一門の部屋が合流したことで、一門の規模・多様性が飛躍的に拡大。
- 要点3:日本相撲協会理事選におけるキャスティングボートを完全に掌握し、角界の次代を担う中核勢力へ定着。
【大相撲勢力図の現在】最大勢力へ躍進する二所ノ関一門のリアル
日本相撲協会を構成する「出羽海」「二所ノ関」「時津風」「伊勢ヶ濱」「高砂」の大相撲五大一門。長年、最大会派として角界を牛耳ってきたのは出羽海一門でしたが、現在その勢力図は劇的な地殻変動を起こしています。その震源地こそが二所ノ関一門です。
現在、二所ノ関一門は所属親方数・所属部屋数ともにトップクラスの規模を誇り、本場所での幕内・十両力士の占有率でも他の一門を圧倒する場面が増えています。かつて「伝統と格式」を看板に一枚岩を誇った出羽海に対し、二所ノ関一門は開かれた指導体制と積極的な設備投資を旗印に掲げ、角界全体のトレンドを主導するポジションへと登り詰めました。
この躍進の背景には、若手親方衆の積極的な意見交換と、一門内の合同稽古による底上げがあります。関取不在に喘いでいた時期を乗り越え、いまや土俵の内外で発言権を強める二所ノ関一門は、相撲協会の運営方針をも左右するメガグループとして君臨しています。
【所属部屋一覧】名門・佐渡ヶ嶽から新興部屋まで集結する巨大陣営
二所ノ関一門の強みは、伝統ある名門部屋と、新風を吹き込む新興部屋が見事なバランスで共存している点にあります。以下は、一門を支える主な所属部屋の一覧です。
【二所ノ関一門 主な所属部屋一覧】
- 二所ノ関部屋(師匠:元横綱・稀勢の里)
- 佐渡ヶ嶽部屋(師匠:元関脇・琴ノ若)
- 田子ノ浦部屋(師匠:元前頭・隆の鶴)
- 高田川部屋(師匠:元関脇・安芸乃島)
- 鳴戸部屋(師匠:元大関・琴欧洲)
- 芝田山部屋(師匠:元横綱・大乃国)
- 片男波部屋(師匠:元関脇・玉春日)
- 押尾川部屋(師匠:元関脇・豪風)
- 阿武松部屋(師匠:元前頭・片男波、現師匠代行含む)
- 大嶽部屋(師匠:元十両・大竜)
- 錣山部屋(師匠:元小結・豊真将)
- 湊部屋(師匠:元前頭・湊富士)
大関・琴櫻を擁して屋台骨を支える佐渡ヶ嶽部屋が伝統の重みを示す一方、元大関・琴欧洲が創設した鳴戸部屋は多国籍・科学的トレーニングを導入。さらに、尾車部屋からの独立を果たした押尾川部屋など、次世代の指導者が次々と頭角を現しています。伝統と革新が同居するこの陣容こそ、二所ノ関一門が他の追随を許さない最大のエンジンです。
【稀勢の里の求心力】二所ノ関親方が主導する「相撲界の構造改革」
一門の急成長を語る上で欠かせないのが、二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)の存在です。茨城県阿見町に広大な敷地を確保して創設された二所ノ関部屋は、土俵を2面備え、最新のトレーニング機器やスポーツ科学に基づいた栄養管理を導入。相撲部屋の既成概念を覆す環境を整えました。
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科で学んだバックボーンを活かし、親方は「気合と根性」に頼りがちだった稽古システムを抜本的に再構築。ケガの予防、効率的な筋力強化、力士のセカンドキャリア支援にまで目配りした指導法は、角界内外から高い評価を集めています。その結果、有望な学生出身力士や若手有望株が一門の門戸を叩く流れが加速しました。
加えて、親方自身の知名度と爽やかな発信力は、スポンサー企業や後援会を強烈に引き寄せています。一門の若手親方たちもこの近代的な手法に共鳴し、合同合宿やデータ共有を推進。元稀勢の里が打ち出したビジョンは、単なる一部屋の成功にとどまらず、一門全体の指導方針そのものをアップデートさせています。
【一門の歴史と真相】旧二所ノ関の衰退から貴乃花離脱の経緯・大合流劇まで
今日の隆盛からは想像もつきませんが、一門の歴史と真相を紐解けば、二所ノ関一門はかつて壊滅的な危機に直面していました。昭和の黄金期を築いた二所ノ関部屋は、名横綱・大鵬や若乃花・貴乃花の二子山部屋などを輩出しましたが、やがて後継者争いや分派独立が相次ぎ、本家である二所ノ関部屋は2013年に一時閉鎖へと追い込まれたのです。
転機となったのは、2018年に起きた大相撲界の激震——貴乃花離脱の経緯でした。日本相撲協会との対立を深めた元横綱・貴乃花が電撃引退し、貴乃花一門は解散を余儀なくされました。相撲協会が「すべての部屋はいずれかの一門に所属しなければならない」というルールを定めた際、行き場を失った旧貴乃花グループの受け皿となったのが二所ノ関一門だったのです。
阿武松部屋、大嶽部屋、錣山部屋、湊部屋といった個性豊かな部屋が合流した瞬間は、角界関係者に大きな衝撃を与えました。一時は「水と油」と囁かれた合流劇でしたが、旧貴乃花グループの実力派力士たちが加わったことで、一門の所属頭数は一気に膨張。かつての分裂劇を乗り越えた懐の深さが、現在の巨大勢力を生み出す布石となりました。
【日本相撲協会理事選への影響】芝田山親方や高田川親方ら重鎮と描く主導権争い
一門の規模拡大は、協会運営の最高意思決定機関である日本相撲協会理事選の構図を根底から塗り替えました。理事選は親方衆の持ち票による選挙戦ですが、二所ノ関一門は単独で複数名の理事を安定して当選させられる強大な票田を築いています。
一門の重鎮として存在感を放つのが、元横綱・大乃国の芝田山親方です。広報部長などを歴任し、相撲協会の危機管理やメディア戦略を長年支えてきた手腕は一門内外から厚い信望を得ています。さらに、指導力と規律の厳しさで知られる高田川親方(元関脇・安芸乃島)も、一門の団結を固めるキーマンとして睨みを利かせています。
若手リーダーの二所ノ関親方、ベテランとして調整役を担う芝田山親方、現場指導を束ねる高田川親方。この世代間トライアングルが機能していることで、二所ノ関一門は理事選において他派閥との政策協調や人事交渉を有利に進めるポジションを確立しています。
【五大一門の行方】出羽海一門との覇権争いとこれからの土俵
二所ノ関一門の台頭に対し、伝統の雄・出羽海一門や、実力派が揃う伊勢ヶ濱一門も警戒を強めています。かつてのように「談合による無風選挙」が通用しなくなった現代の角界において、一門の結束力と所属力士の活躍はダイレクトに協会の権力バランスに直結します。
特にファンが注目しているのは、土俵上の世代交代です。二所ノ関一門からは若手関取が次々と三役・大関へと名乗りを上げ、本場所の優勝争いを席巻する頻度が増えています。力士が勝つことで部屋が潤い、後援者が増え、親方の発言力が高まる——この好循環が一門全体を押し上げています。
保守的な体質が残りやすい相撲界において、改革派としてのスタンスを鮮明にする二所ノ関一門の存在は、五大一門の力関係を固定化させず、健全な競争を生み出す原動力になっています。
【二所ノ関一門】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:現在の二所ノ関部屋と、昔の二所ノ関部屋は同じ系統ですか?
A1:名跡は同一ですが、系譜には再編があります。昭和期に名門として栄えた旧二所ノ関部屋は2013年に一度閉鎖されました。現在の二所ノ関部屋は、元大関・若嶋津の松ヶ根部屋が名称変更を経て荒磯部屋となり、さらに元横綱・稀勢の里が名跡を継承して再興したものです。
Q2:なぜ旧貴乃花一門の部屋が二所ノ関一門に合流したのですか?
A2:2018年に貴乃花親方が日本相撲協会を退職した際、相撲協会が「無所属部屋の禁止」を決定したためです。旧貴乃花一門に所属していた阿武松部屋や錣山部屋などの受け入れ先として、包摂力と歴史的つながりのあった二所ノ関一門が手を挙げ、正式に合流しました。
Q3:二所ノ関親方(元稀勢の里)は将来の理事長候補なのですか?
A3:角界内でも有力な次世代リーダーの筆頭と見なされています。卓越した育成実績に加え、早稲田大学大学院で学んだマネジメント論や高い知名度を持ち合わせており、将来的な協会中枢・理事長就任への期待はファン・関係者双方から高まっています。
まとめ:変革期を迎えた大相撲と二所ノ関一門の行方
名門の消滅危機、貴乃花の乱による混乱、そして元稀勢の里による革新的な再建——。二所ノ関一門が辿ってきた道のりは、大相撲という伝統文化が近代化へと脱皮していく歴史そのものです。
伝統を重んじるベテラン親方陣と、科学的アプローチを恐れない若手親方陣が融合した現在の二所ノ関一門は、角界の勢力図を大きく塗り替えました。土俵上の勝負だけでなく、相撲協会が次の時代へどう進むのかを見極める上でも、この巨大陣営の一挙手一投足から目が離せません。 (出典: 二 所 ノ 関 一門(Yahoo!ニュース))